コード日進月歩

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日本語のローマ字表記に関してシステムを作るときの知識をざっとまとめる

おおまかに3系統あり、ISO3602をベースに考えればよさそう、というのをざっとまとめる。

ローマ字の系統

ローマ字の系統はいくつかおあるが、代表的なものは3系統ある

訓令式

2022年現在においてはベースとなる方式で、政府がローマ字のつづりに関しての告示を出した際にもこの記法で使うよう明示されている形式。

a,i,u,e,o をベースに ka,ki,ku,ke,ko という形で母音のアルファベットとくっつける形式

歴史的には後発であるため、日本式とヘボン式のアレンジとして定義した形式となる。

日本式

日本にてローマ字を普及させる際に日本人が提唱した形式。訓令式と差異がある部分は以下の通り。

  • だ行の「だ」以外に関しては z ではなく d の形式で表現する(「ぢ」を di、「ぢゅ」 dyu
  • 「を」をo ではなく wo と表現する。

修正ヘボン式

ヘボン式はローマ字の元祖であり、1867年にアメリカの医療伝道宣教師、ジェームス・カーティス・ヘボン氏が定義したことからヘボン式とされています。このヘボン氏が提唱したヘボン式を「旧ヘボン式」とし、訓令式が出されたと同時期の1954年のタイミングにヘボン式の見直しがあり、その見直し後のものを「修正ヘボン式」と呼ばれている。

国際的にはこの修正ヘボン式がスタンダートに使われており、イギリスやアメリカなどではこちらの形式をデファクトスタンダードとして使われている。

訓令式との違いは以下

  • さ行の一部、たとえば「し」を si ではなく shi のように hを含む形で表現する。
  • ざ行の一部、例えば 「じゃ」 を zya ではなく ja のように j で表現する。
  • た行の一部、たとえば「ち」を ti ではなく chi のように hを含む形で表現する。
  • 「つ」を tu ではなく tsu と表現する
  • 「ふ」を hu ではなく fu と表現する

どれを使うといいのか

2022年現在では統一された唯一1つの規格があるわけでもなく、それぞれの形式で現実世界の使われかたとして物足りない部分が出てくるため、どれか1つベストなものを選ぶということではなく、適宜ミックスして使う形となる。

ただISO3602では訓令式をベースに定義をされているため、ISOに準じるのであれば訓令式を基礎として考えるのが良いと思われる。ISO3602は訓令式をベースにしつつわかりにくいところをいくつかアレンジを加えている。例えば「を」に関しては原則は o の表記が訓令式のルールだが

「を(ヲ)」は直接目的語を示す助詞としてのみ wo を用いる。ローマ字では o と書く。

というように「お」と「を」の表記の使い分けを分けている。

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