コード日進月歩

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オーケストレーションに対するコレオグラフィに関してざっくりまとめる

純粋に言葉の意味を調べるときに混乱が生じたのでざっくりまとめる

先にまとめ

用語の出自

オーケストレーション」も「コレオグラフィ」も元々は音楽用語。

オーケストレーション

オーケストレーションは直訳すると「管弦楽法」となり、意味は以下のようになる。

音楽上のアイディアを、最も合理的かつ効果的な方法で管弦楽団で表現する手段を深く研究する学問 - 管弦楽法 - Wikipedia

日本語的にはわかりにくいが、楽曲を管弦楽向けにアレンジする方法や作業のことを指す。そこから転じて情報処理にとどまらず組織的なアレンジを行う話でオーケストレーションというフレーズが登場することがある。

軍隊の編成に関しても使われることもあれば、技術分野でも今回の文脈とは別で使われることもある。例えばKubernetesはDockerコンテナ技術とそれにまつわる必要な情報をコントロールする機能を有しているので、Dockerのオーケストレーションツールと呼ばれることがある。

コレオグラフィ

このオーケストレーションに対して、コレオグラフィは直訳すると「振り付け」。

SOAから端を発したオーケストレーションとコレオグラフィ

サービス指向アーキテクチャ(SOA)の文脈において、複数のサービスを扱う方法としてこの2つの用語が並べて使われるようになったと考えられる。

2008年時点の情報では混乱を起こしていたようだが、様々な情報を鑑みると、2023年時点では以下のように考えることができる

  • 複数のサービスを束ねる存在がおり、それを指揮者ととらえ、中央集権で束ねる存在を有する場合のアーキテクチャの組み方を『オーケストレーション』と表現した
  • 中央集権が存在しないタイプの考えかたを、「指揮者の存在するオーケストラ」と対比する形で「指揮者の存在しないバレエダンス」を取り上げるかたちで"振り付け"の意の『コレオグラフィ』がつけられた

そのため

  • オーケストレーションは中央集権で複数サービスを取り扱う存在がいる考え方
  • コレオグラフィは中央集権する存在がおらず、個々で振る舞うような考え方

という用語の使い分けになったと考えられる。

参考リンク