「選択回避の法則」とか書かれていたり、「決定回避の法則」と書かれていたり、表記ブレが激しすぎたのでまとめてみる
(広く知れ渡った)元ネタ
もともとはプリンストン大学心理学部のエルダー・シャフィール教授が大和証券のCMで出てきて語ったのが元ネタの様子
CMの中で4種類のベビーカーとたくさんの種類のベビーカーを出し「沢山の種類からのほうがより良いものを選べると思われるが、選択肢が多いと選べなくなる」という旨が紹介されている。
ここから転じて「選択肢は多いことがいいとは限らない」「選択肢は多いと選べなくなる」ということで語れられる。
(ちなみに私は見たことない)
ジャムの法則
この決定回避の法則の実験の一つとして有名なのがSheena Iyengar 氏が行ったジャムの販売実験に基づくもの。
いろんなところに記載があるが実験の内容としては以下
とあるスーパーにて 「6種類の試食があるジャム」 「24種類の試食があるジャム」 という形で試食を準備し、どちらのほうが多く売れるかというのを実験したもの 実験の結果としては6種類のほうが24種類を用意したときよりも売れた このことより選択肢は多いほうが良いというわけではない、ということを示している
合わせて語られる「現状維持の法則」
シャフィール教授とハーバード大学経済学部のセンディル・ムッライナタン教授が共著で書いた本の中に以下のようなものがある
翌日提出のレポートがあり、それを図書館で行う予定だが敬服してきた作家が講演を行うことを道すがら知る A.図書館でレポートを書く B.講演を聞きに行く どちらを選ぶか?というのをグループ1に行い、さらに設問を追加し A.図書館でレポートを書く B.講演を聞きに行く C.ずっと見たかった映画が近くでやっているので行く という設問をグループ2に行った。 その結果、グループ1よりもグループ2のほうがAを選ぶ数が多かった
この実験から「魅力的な選択肢であっても増えると本来やるべきことをする」ということをするという話となり、これが「現状維持の法則」というような言葉で語られている
参考リンク
いつも「時間がない」あなたに: 欠乏の行動経済学 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
- 作者:センディル ムッライナタン,エルダー シャフィール
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2017/01/07
- メディア: 単行本