昔から「夫婦の阿吽の呼吸問題」と個人的には捉えてたのですが、いい題材が見つかったので、趣を変えた感じでお送りします。
コンテキスト不足の例
例:夫婦の会話
例として以下のような内容をあげてみます
将来のことを考えて2LDKの部屋に住むことをきめたけれど、まだ子供のいない私達夫婦にとってはまだこの2LDKは広すぎる。リビングにいるときはなるべくダイニングの電気は消して、リビングそのものの電気も省電力モードにしている。傍目からみると暗いかもしれないが、買ったばかりのこの家、すこしでも節約をしたい。夫はこういう暗い空間を嫌がるのですべての部屋の電気をつけようとする。たぶん兄弟がたくさんいた家庭で育ったから、すこしでも明るくしたいのだろう。そんな中、夫が帰ってきた。そして部屋にはいってちょっと不機嫌そうな声で「ただいま、この部屋暗くない?」と私に言った。私はその言葉をそのまま額面通り受け取ってしまい「そう?私は暗くないと思うけど。」と返したら、むすり、というフレーズがぴったりくるぐらい表情を歪めた。
小説風に書いてみましたが、夫が部屋が暗いことを「部屋が暗くない?」と投げかけるわけですが、実際夫側が求めていることは「部屋が暗いから電気つけろ」なんですね。
第一義には文字の額面通り
「部屋が暗いのではないか?」
という問いかけだが、夫側のバックグラウンドを知っていると
「部屋の明かりをつけてくれないか」
という依頼でもあることが隠れているということになる。この第二義、どういう流れで導き出されるものかを噛み砕いていきます。
前提条件を踏まえて捉える第二義
自身が感じていること(上の例だと 部屋が暗い
ということ) + 疑問系の形は、だいたいにおいて
「自分が感じていることを疑問として投げているということはその投げかけている事項を満たしていない」 という状態であり、それが転じて 「自分が投げかけている事項を満たすことを実行しろ」 ってことになるんですね。
なのでこの話の例だと 部屋が暗い
ということを投げかけられているので 部屋を明るくする
ということを満たせということを 「部屋が暗くない?」 で表していることが多いです。
本当に伝えたかったことは第二義
この話においては夫側が回りくどい言い方をするのではなく、正しく
「部屋が暗いから電気をつけてくれないだろうか」
と素直に提案すれば済む話が、さまざまな要因によってそれを言いそびれたことが発端になります。
日常的にこの本当に伝えたかったこととずれた発言をしても、請けて側が先回りして情報を汲み取る(今回の場合は発言から第二義の部分を汲み取る)ということをしていると、発言者側はずらした発言をすることが恒常化してしまいます。
文字コミュニケーションで起こる同様の事例
コードレビューにて
明らかな言葉不足によるコミュニケーション不全の典型として小説ライクで紹介したんですが、これがコードレビューでも起きます。例えば次の例。
感想を述べているだけで具体的に何をしてほしいのかがわからないので、レビュイー側も困ります。なのでやってほしいことを添えるほうがいいと思います。
上記のようにすると、コメントを追記してほしい意図を伝えるための補助機能として1文目が機能してよいかと思います。
テキストコミュニケーションツールにて
例えば何かのツールにてユーザを追加したあとに、そのユーザ追加処理をした人にこんなことを言われたとします
一見すると問題ない感じもするんですが、この問題の本質は「招待メールが来ないのでツールが使えない、使えるようにしてくれないか」ってことなので、そこに対する依頼はこの文章の第一義からは汲み取れないです。なのでここで行うべきは以下のような感じがベストだと思います
という感じにしてもらいたいこと本質に関して依頼をするのがいいと思います。
まとめ
- 文章に書かれていないことを読み取って解釈するような書き方はテキストコミュニケーションだとすれ違いの原因になるのでやめる
- アクションをしてほしい場合はちゃんと、そのことをちゃんと文字にして表す