原典
イギリスの経済学者、チャールズ・グッドハート氏の論文に登場する以下の内容がもととなったもの
Any observed statistical regularity will tend to collapse once pressure is placed upon it for control purposes.
観察される統計的規則性は、制御目的で圧力が加えられると崩れる傾向があります。
元の話はどういう意図のものなのか
いままで観測されてきた統計データに関して、それをもとにして何かしらのアクションが起こされるとその規則性は崩れるというもの。主に過去の計測データとそれに対する政策に関しての話としてつかわれており、規則性に対して何かしら政策アクションをかけるとその規則性はなくなってしまう。
こちらのページにて紹介されている例だと「結婚指輪の購入数と結婚の数に関連があるという統計データ」があるとしたときに、結婚数を減らしたくなったときに「結婚指輪の価格をあげる」という政策をとっても規則性が崩れるだけ、というような話。
どのように捉えられるようになったのか
別の話題として、心理学と社会学のアプローチとしてキャンベルの法則があり、こちらは簡単に説明すると「能力を測るのペーパーテストを使って点数をつけるが、点数そのものが目標になる(≒高得点を得ることが目的)になると計測としての効能は失われる」というようなもの。
このような考えと絡めて「計測される指標自体が何かしらの目標などに据えられるとその計測指標自体が意味をなさなくなる」という意図で使われている。
現在ではどのように使われるか
主に目標設定の文脈で語られることが多く、本来達成すべき話題から間接的に設定された数値などに対して、意味のない操作を行うことが起きる文脈で使われる。
たとえば目標設定で「売上をあげるために、契約数をいままでの2倍にします」というように設定すると、いままでは包括して行っていて契約を分割契約にしてあたかも件数が増えたようにするが、本質的には契約で取り交わされている金額が変わっていない、というような話で使われる。